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テントはテン場で。じゃないとダメなのか。

      2014/01/13

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年末の行者小屋。色とりどりのテントが並ぶ。
テントを担いでの縦走は、どうしても荷物が重くなるので、体力的にもキツイわけだが、山頂から延々と続くかのような尾根道を眺めれば、このままずっと歩き続けたいと思ってしまう。
妻子もいるし、仕事もあるし、長くても2〜3泊が限度の山行となり、メインは1泊2日なのだが、いつか1〜2週間山から降りてこない。というのをやってみたい。

ところが現実は厳しいもので、連休もどこにも行けず、そのストレスがこんな記事を書かせている。

どう見てもテン場じゃないところにテントが。
これっていいのかな?

残念なことに、自宅から最も近いに丹沢エリアには、テン場が殆ど無い。小屋はたくさんあるのに。
どういう理由でそうなっているのかわからないのだが、確かに丹沢エリアは山に入ると水場が殆ど無く、夏はヒルだらけで、環境的にテント泊に向いていないというもの関係ありそう。
そういう事情もあって、ふらっと行きたいときは、奥多摩エリアか塩山・韮崎あたりになる。

亭主のわがままな趣味のために、1台しかない車を使うわけにもいかず、山行の時はもっぱら公共の交通機関で移動。始発で出ても、10時とか、ヘタすると正午あたりになったりする。寝坊することもしばしば。

限られた時間を有効に使うには、無駄なく移動したいと思うわけだが、こっちの都合のいい場所にテン場があるわけじゃない。
よって、不本意ながら、脳内(妄想)ルートを断念して、不完全燃焼で終わることもしばしば。
だから、テン場じゃないところにテント張っちゃえば?って思うわけだけど、これってどうなんだろうと疑問に思うわけです。

特に雪の季節は、登山道の少し入ったところにテントが張ってあるのをよく見る。
雪があるから水には困らないだろうし、何より静かで気持ちよさそう。体力的な問題もあって、致し方なく設営した人もいるだろう。
だけど、どこかに違和感。
ちょっと調べてみたら、やはり野営地に指定されているところ以外での幕営は原則禁止らしい。

自然公園法施行令によって、「自然公園法 (昭和三十二年法律第百六十一号。以下「法」という。)第二条第六号 に規定する政令で定める施設(略)」に野営地が対象とされています。
野営地として定められたところ以外では、野営できないと考えるのが自然でしょう。

回答の中には「テントは禁止、ツェルトはOKだから俺はいつもツェルト(キリッ)」ってのもあったけど、それも違うだろう。
緊急時は野営地以外で幕営してもいいよ。ってのが、この根拠だと思うけど、そういうことを言ってるわけじゃない。あくまでも山行の手段としての幕営はどこで行えばいいのか。という問題なのである。

アウトドア・アクティビティがブーム
だからこそ心配になるもろもろ

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山登りやトレッキングなどのアウトドア・アクティビティがブームになって久しい。
さらに、トレイルランナーも増え、ULハイクなる分野も出てきて、山を舞台に遊びたい人はかなり増えてきた。
女性や若い人たちも増えてきてファッション性が高くなり、かっこいいウェアやギア、それもガレージブランドなど今まで全く知らなかったブランドが紹介されているのを見たりすることも増えてきた。
同じ趣味を持つものとしては財布の紐が緩みっぱなし。これは素直に喜びたい。

だけど、ちょっとこれは良くないんじゃないかと思ったのが、ただのテン場じゃない山の中にさらっと幕営するのがかっこいい。的な記事や動画。
こういうのをたまに目にする。
ちょっとびっくりしたのは山林の木にハンモックを吊るして幕営している写真を誇らしげに見せられた時。こういう場に幕営できちゃうのが上級者。みたいな感じね。
とあるトークイベントで見せられたスライドの写真だけど、ちょっとひいた。

自然を守れとか、そういうことを言いたいわけじゃない。影響力の問題。
日本の山林は林業によって今の形になったという話もあるし、本当の意味で自然の姿ではない(らしい)し、ヒトが山に入ること自体、自然ではないと思っている。
だから環境問題を語りたいわけではないのだけれども、少なからずレアな場所や方法で幕営し、それをスタイルとして公開している人々は先駆者であり影響力が大きいのである。どうしても、そんな人達の真似をする人々が出てくる。絶対数が少なかったから目につくことがなかったことも問題として取り上げられるようになる。
これが嫌というか心配なのです。

強制的に止めさせるのは不可能
ちょっとした抑制が大事

丹沢のバカ尾根もそうだけど、特に人気のある低山の登山道は大きく窪み木の根が横から飛び出て、中には倒れてるものもある。
獣害がひどいっていうけど、それも平地に住むところがなくなったから仕方なく山に入ったからであって、ヒトのように趣味で山にいるわけじゃない。
そんな山を歩かせてもらってるんだけど、いつか歩けなくなる日がくるような気がしてる。
とはいえ楽しいから止めないけど、ヒトが自然に入るってのは、つくづく手前勝手なご都合主義に基いていて、だからこそ、ちょっとずつルールが出来ていったと思われる。

ルールといえば登山届け遭難時の捜索のために任意に書くものかと思っていたけど、営林署への入林届と入林許可手続きを略式可したものだそうで、となると義務ってことになるわけですね。知らなかった。

少なからず、アウトドアが好きなのは自由な感じを好むからであって、許可だの届け出だのは気にしたこともないってのが大半なのだろうし、ルールは面倒なものだけど、少なくとも、自身の価値を風潮する前に、その影響や結果も考慮して発信していきたいものである。

色々書いたけど、キャンプや野宿は楽しいよね。

 -ぼやき, トレッキング,

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  Comment

  1. polux より:

    はじめまして。

    【ただのテン場じゃない山の中にさらっと幕営するのがかっこいい。的な記事や動画】
    【山林の木にハンモックを吊るして幕営している写真を誇らしげに見せられた時。こういう場に幕営できちゃうのが上級者】

    激しく同意したのでコメントさせて頂きました。

    よく記事を目にしますね…特にUL系な方々(笑)
    正直、私も軽量ギアには興味があり「フィールドを自由に使える発想が凄いな」と思ったりもします。
    しかし、山にはルールがあるのも事実。
    発信力のある人ほど守って欲しいものです。

    あくまで手段であってSTYLEではないのがULだと思います。
    受け取る側の問題もありますが、誤解を招く発信は悪影響でしかありません。
    そんな情報がサイトやSNSでは氾濫してます。
    誰かが【してやった】後は続々と真似してそれが木霊するんですよねぇ(笑)

    長々申し訳ございませんでした。
    これからも更新楽しみにしてます。

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